インドネシア

Razi Thalibが語る愛、結婚、そしてSetipe.com

Razi Thalib

Razi Thalib

インドネシアの独身男女を守る仕事に取り組むRAZI THALIB

Setipe.comはオンラインデーティングアプリTinderの二番煎じではない。真面目な出会いを探す男女に向けてサービスを展開しているのがSetipe.comだ。我々は、ジャカルタのオフィスを訪れ、Setipe.comのファウンダーRazi Thalibにインタビューを行った。

 

あなたの子供~青年時代について教えて下さい。

Razi:私はジャカルタで生まれましたが、父が外交官だったため多くの転居を経験しました。子供の時にはサンフランシスコとサウジアラビアに住みました。転勤族であることから、両親は、私の勉強について自宅学習が良いと判断しました。私が15歳の時には、普通のスクーリングなら2年かかるところを1年で済ませました。

そして16歳の時にはオーストラリアの大学へ入学する準備ができていました。今の時代、人々は物理的に大学へ入る必要はありません。TVドラマを毎週見るか、一気に全ての回を観るか。今の時代の情報の使い方とはそういうことです。とはいえ、自宅学習や独学がベストと言うつもりもありません。大切な経験のひとつである、人との関わりが無いという面もあります。

 

SETIPE.COMの前の学歴と職歴についてお教え下さい。

Razi:まずシドニー工科大学でbusiness studiesを専攻しました。しかし、その時は金銭的に辛い時期でした。私は受講を延期し、シドニーで仕事を探す必要がありました。そしてその頃は、自分が本当にやりたいことはビジネスを学ぶことではないと気付いた時期でもありました。

大学に戻った時、私はチャールズ・スタート大学で情報技術を学ぶことに決めました。その頃はおかしな仕事も少しやっていました。電話のアンケート調査、スーパーマーケットの棚卸し、新聞配達員などです。

最初のきちんとした仕事はRSVPという企業(驚いたことに、オーストラリアのオンラインデーティングサイト会社)で、テクニカルカスタマーサポートとして雇われました。数年勤務の後、昇格し、17人のチームをマネージメントする立場になりました。Fairfax DigitalがRSVPを買収した頃です。

Fairfaxでは、プロダクトマネージャーの時に初めて最前線で働くチャンスを得ました。インドネシアに帰った後の2011年、Zalora Indonesia の共同創立者であったNadiem Makarim (Gojekのファウンダー)に「仲間にならないか」と誘われました。これはMBAの支払いのチャンスだと思い、Zaloraのオファーを受けました。

 

あなたは、常に自分は起業家になると思っていましたか?

Razi:全くです。私はいつもインターネットが魅力的だと考え、HotmailやYahoo!の黎明期を経験しました。しかし、オンラインベースの技術会社をスタートさせるなんて目標は予定していませんでした。実は、私のキャリアビジョンは数年のうちにしょっちゅう変わっていっていました。

例えば私が10代の頃のこと。環境に関する勉強にとても興味がありましたが、それをキャリアとして追うことはありませんでした。でも、社会にインパクトを与える何かがしたいとは常に思い願っていました。Setipeは正に、私がしたかったことです。

 

なぜオンラインデーティングなのでしょうか?

Razi: 2010年頃、インドネシア人の多くがソーシャルメディア上で独身であることを嘆いているのに気が付きました。オンラインデーティングビジネスは、私がFairfaxでそれまで経験してきたことでもあります。そうしてアイデアは形になっていきました。私は数十人にアンケートを取り、自主的にインドネシアのオンラインデーティング業界のリサーチをしました。そして、インドネシアにはオンラインデーティングの需要があるという結論を出したのです。

インドネシアでは、ふたつの家族が繋がるという点で、結婚はとても大きな出来事です。愛や繋がりを求め、インドネシア人は結婚を熱望します。私はマーケット規模のポテンシャルが大きいことを知り、たいへんな需要があると思いました。

また、オンラインデーティングは面白いものです。私のやりたいことを伝えると、人々の顔色は明るくなります。これもまた、私がSetipeを始める必要があるという証明でした。

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SETIPEの初期についてお教え下さい。あなたはそれらの経験からどんなことを学びましたか?

Razi:開始時の信念は、投資を募るよりまず先にプロダクトをショーケースに並べることでした。ローンチのため、私は自分の貯金を使いました。私が思うに、ビジネスをスタートするために重要なのは良い共同創業者を持つことでしょう。

理想的なのは、ビジョンを持ったプロダクトファウンダーと、技術によってビジョンを実現していくテクニカルファウンダーを持つことです。スタートアップファウンダーとしては、すべてのことに取り組み、解決していく必要があります。特に、初期の段階では。目標、戦略、そして実行の段階で、常に成長して日々問題を解決していく必要があるのです。

オンラインデーティングは良いビジネスですか?

Razi:そういう風に考えると、良いビジネスモデルではありません。素早くユーザーが誰かとマッチングすればするほど、我々はすぐにユーザーを失うわけです。また、我々は人口から見てニッチな部分をターゲティングしています。例えば、既婚者や低年齢層はターゲット外です。マーケットのポテンシャルを考えても、fintech だったり、他のEコマースのように大きくはありません。以上の理由から、もし私が純粋にビジネスをしたいと思っていたら、オンラインデーティングには目を付けなかったでしょう。

何があなたを前進させますか?

Razi:前述したように、オンラインデーティングはビジネスの観点から言えばベストの選択ではありません。しかしこの数年の仕事はとても楽しく興味深いものでした。愛やロマンスについて毎日語ったことのみならず、私はいくつかの大学から、心理学専攻の学生に向けて恋愛関係について講演してほしいと招待も受けました。しかし、私がここまで来られた大きな理由は、社会にインパクトを与えたことと、宗教的な要素です。

誰かの正しいパートナー選びを助けるとき、それはより幸せな人生に繋がるというだけではなく、その人自身の信仰にも感動を与えるのです。私はけして経済的に成功しているわけではありません。しかし以上のようなことが私を前進させるのです。

SETIPEについて教えてください。また、他のオンラインデーティングプラットフォームとはどのように差別化を図りましたか?

Razi:まず、私はTinder等他のオンラインデーティングプラットフォームをライバルと考えませんでした。彼らのことは成功者だと見ていました。インドネシアの人々にオンラインデーティングの世界があることを伝えた点で、彼らはパイオニアでした。Setipeと他サービスの大きな違いは、Setipeに登録すると、ユーザーはまず自分自身について100の質問に答える必要がある点です。

ユーザーは他のユーザーを検索したりスワイプしたりすることはできません。代わりに、我々のアルゴリズムが最初の質問を通してぴったりのユーザーを見つけ出します。こういう点で、私たちのサービスは真面目な出会いを探しているユーザーを魅了しています。

100の質問について詳しくお教えください。

Razi:質問は5つのカテゴリから成ります。年齢など人口統計、好み、性格、相性、そして経済面です。これらの質問をインドネシア文化にフィットするように調節し、他の西欧ベースのオンラインデーティングプラットフォームとの差別化を図っています。ユーザーの回答を基に、いくつかマッチする相手を表示させます。これらのアルゴリズムは我々専門の心理学者によって開発されたものです。

面白いのは、この質問が今後の恋愛関係についてユーザー自身の気付きともなることです。恋人と長い関係を築くためにはどんなことが必要なのか、質問に答えることによって学んでいくのです。

そのような質問以外には、どんな基準でユーザーをマッチさせるのでしょうか?

Razi:今現在は質問することによってのみマッチングを行っています。しかし、将来的にはユーザーの魅力に基づいてマッチングを行う予定です。例えば、外見の似ている人同士を繋げるなどです。見た目の似ている者同士が惹かれあうという統計もあるのです。

 

これまでどれくらいのカップルが結婚まで至りましたか?

Razi:これまで138組の結婚の知らせを受け取りました。これは一部であり、もっと多くの方が結婚しています。

あなたから見て理想の従業員はどんな人ですか?

Razi:インドネシアでのスタートアップが難しい理由のひとつは、後を追うことができるような先行者がいないrazi-thalib-setipe-indonesiaことです。オンラインデーティングはインドネシアで比較的新しいコンセプトですから、経験者を集めるのが大変です。

適応することと学ぶことに柔軟性があり、批判的に物事を見ることができ、自分自身で物事を起こしていける人を求めます。私は、ただ給与を求めてくる人材ではなく、情熱とビジョンを分かち合える人材を探しています。

現在インドネシアにはこのような能力を持つ人材が乏しいのです。我々は、海外にも目を向けて才能あるインドネシア人を探さなくてはいけないでしょう。

 

インドネシアでのオンラインデーティングの今後についてどう考えますか?

Razi:我々は、インドから学ぶことができます。インドでは、技術は進化しているにも関わらず、従来のマッチングビジネスが未だ興隆しています。しかし社会規範は変えられるはずですし、インドでもオンラインデーティングが広がっていくことでしょう。

我々はこのサービスを、単なるオンラインデーティングサイトとして見る以上に、結婚相手を真面目に探すサイトとして考えています。私たちのオフィスには、自分の子供の結婚相手を探してほしいと言って訪ねてくる親子もいます。

 

新しいサービスの開始やマーケットを変える予定はありますか?

Razi:サウジアラビアやマレーシアなど、保守的な国でのサービス開始もあり得るかもしれません。新しいサービスとしては、いくつか考えがあります。Setipeのカップルに向けて幸せな結婚生活を送るための「結婚マニュアル」や、ロマンスとデートに関するTV番組や、独身者向けのランニングイベントなどです。

 

もし時間を巻き戻せるなら、あなたはどんな違うことをしますか?

Razi:より早く学び、より早く問題に気づき、より早く解決するでしょう。

 

誰があなたをインスパイアしましたか?

Razi: 特定のひとりから影響を受けたわけではなく、人生でこれまで出会ってきた人たちすべてから影響を受けています。私のチームメンバーは、全員が違った視点から私に影響を与えてくれます。私は歴史オタクですが、歴史上の人物たちも色んな面で私に影響を与えました。

また、もしあなたが一緒に仕事をしている人たちから何もインスパイアを受けないというのなら、あなたのビジネスは何か問題があるのでしょう。

 

やる気のある若い起業家たちへアドバイスをお願いします。

Razi:多くの人々が、自身の仕事を嫌っているために起業家になりたいと願います。それだけの理由で、起業家になってはいけません。何かひとつ目的を持って、起業家になってください。我々のやることすべてに目的があります。たとえそれが、あなたの嫌いな仕事でもです。

またもうひとつには、悪い出来事の良い面を見ることと、前に進み続けることです。どんなに悪い出来事でも、そこにはポジティブな面があるものです。あなたの成功は、必ずあなたの根気良さにかかっています。あなたの業界と恋に落ちて、最後まで諦めてはいけません。

 

それでは最後になります。もし誰か見つけたら、あなたは業界を離れますか?

Razi:いいえ。私はとても楽しんでいますから!

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